先進国の中で日本ほど住空間に無頓着な国は無いかもしれません。今だに住宅で白い蛍光灯が煌々と灯っている様が物語っています。各業界が機能やコストに専念し経済優先で突っ走った結果、無駄を省くと同時に住空間の一番大事なモノまで捨てちゃいました。

「無駄=スタイル」でしょう。スタイルなんか無くても生きていけます。だから家ではテレビを見て喰って寝るだけ。キッチンは料理を作って洗うだけ。ウ~ンなんか悲しいですねぇ。

金銭的には余裕があっても人間的にはギリギリで生活している・・それが日本人の本当の姿ではないでしょうか。そんな生活に疑問を感じている方々が今この文章を読んでいるのです。カントリーやコンテンポラリーなど自分の好きなスタイルで生活する。好きなスタイルのキッチンで料理を楽しむ。それこそが最高の贅沢じゃない?

 

スタジオダックスでは特に決まったスタイルがある訳ではありません。シンプルでどこか懐かしい、自由に使える「ゆるいキッチン」をご提案しています。(Photo:戸塚H邸)

スタジオダックスがご提案するスタイルキーワードは「無垢」です。木、金属、陶器、ガラス、左官仕事などなど。昔の住空間はみな無垢が当たり前でした。その時代と共に消えていくモノをしつこく使い続ける・・

つまり進歩がない事がスタジオダックスのスタイルだったりします(苦笑)

無垢なモノの最大の魅力は古くなればなるほど味が出てくる事ですね。新建材は中古に、無垢はアンティークになります。乱暴に扱われる事が宿命のキッチンこそ無垢であるべきで、傷ついたり欠けたりしてもそれらを味として楽しめればイイんですよ。

ただし、それらの材料は限りがありますし扱える職人も高齢化が進んでいます。一件一件手作りで仕上げる。効率化やビジネスとは真逆のスタイルでコツコツとキッチン空間を造っています。(写真:Craft)

次にキッチンで使う代表的な無垢素材を紹介します。ここでは、キッチンの特徴が一番表れるワークトップの素材でご説明します。
パイン、米松、カラマツ、ナラ、タモ
各種集成材、古材

どんなスタイルでもマッチし仕上げ方を変えれば無限の表情を造る事が出来ます。また、ラフな仕上にすると使い込むほど色や傷が味になってきます。ただし、キッチンにつきものの「水」と「火」に弱いという欠点があるので、仕上げ方には経験が必要ですね。

メキシカンタイル、磁器タイル100角200角
モザイクタイル25角50角

カントリースタイルで定番のタイルトップです。素朴にもモダンにも使え、比較的値段が安いのも魅力です。目地がどうしても汚れてしまうのが欠点ですが、最近は汚れが染みこまないハイテク目地材が一般的になってきたので以前よりは扱いが楽になりました。カントリー好きのお客様には根強い人気がありますね。

ステンレス厚板単板、薄板曲加工
スチール各種、ホーロー

ステンレスはモダンやコンテンポラリーキッチンでは多く使われ、メンテナンスが楽な反面値段が高価です。トップとシンクを一体化で製作する事もでき、きれいで清潔なキッチンになります。

厨房のような無骨で機能優先のキッチンにもなりますし、トビラなどに木を使って優しいキッチンにもなりますよ。

人工大理石、天然大理石、御影石、砂岩

人工大理石はメンテナンスと価格のバランスが一番良い素材だと思います。ただし、使い方を間違えると非常にやぼったくなるので注意が必要です。色んな色や柄がありますが、白かベージュを使う事がほとんどですね。
天然石は値段がピンキリですし意匠的にも住空間では扱いがムツカシイ所です。お客様のご要望がない限りほとんど使いませんねぇ。

モルタル、コンクリート、テラゾー

湿式でつくる珍しいケースです。非常に個性的で使い方によってはメンテナンスも楽なおもしろいキッチンになりますよ。

しかし、造る側がしっかりとした設計と施工をしないと、とんでもない物が出来上がる可能性が高いですね・・。

テラコッタタイル、レンガ、古レンガ

カントリーキッチンの定番の一つにテラコッタタイルやレンガをトップに使う事があります。しかし、これはメンテナンスが最悪なのでよっぽど意匠的にこだわっているお客様以外にはあまりおすすめできません。やはりこれらの素材は壁や床に使った方がイイですね。

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