練馬の家

子供達は皆巣立ち、ご両親だけが住む戸建住宅。ここで生まれ育ったSさんは2階部分をリフォームして2世帯住宅にリノベートする考えです。築30年超の木造住宅に多い典型的な間取りで、2階には個室2部屋とトイレの約35平米しかありません。Sさんはご夫婦2人でお子さんはまだいない。でもどう考えてもこのままでは狭いので、増築を含んだダックステイストのスケルトンリフォームをご要望です。
ウ〜ン・・増築ねぇ・・。

2階の増築は建物構造や耐震バランス的にもリスクが多くお金もかかるので、肝心のインテリアへの予算配分も大幅に減ってしまいます。できれば現状の構造内で考えたいところですね。耐震構造壁を残しつつ出来るだけオープンにプランしてアイデアを絞ればちょっと狭いけど広く使える楽しいワンルームが生まれるハズだ。

Before

そこで増築はしないかわりにロフト収納を造ってあまり使わないモノや季節モノを部屋から無くせば生活スペースは広く使えます。浴室は1階の親世帯との共用を前提としたシャワーだけとし、3in1にすればスペースを節約できるな。木造戸建で一番むつかしい構造壁の扱いも幸い全部残してプランできそうだ。狭さを逆手に取ってゴチャゴチャとまるで雑貨屋みたいな空間を楽しむ事ができればこの部屋は成立します。

Sさんの反応は良好でした。そして賃貸の現在のお住まいにおじゃまして気取らないラフな生活を拝見したら「いけるな」と確信を得るのでした。シンプルでキレイに整頓されているインテリアが好きな方にはこの空間は住みこなせないでしょうね。

ロフト収納の壁は目透かしの板張りにしています。ロフト内部の常時自然換気がされるので内部環境は良好です。そしてインテリアのポイントにもなりましたね。
実面積は狭いけど、高い天井にすることで広がりのあるワンルームができました。そんなラフな空間にアンティークなモノ、楽器やスニーカーなど好きなモノを無造作に置いたら「大人の子供部屋」になりました。

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