自邸。ここは過去様々なスタイルの提案やインテリアの実験を繰り返している空間です。そして日々の日常生活の場でもあります。

スタジオダックス発足当時は仕事、ショールーム、日常の衣食住すべてをこの約38平米しかない狭い部屋でまかなっていました。だからスタイルやテイストは年々変わってもバタバタな空間にならざるを得なかった訳です。2002年にショールーム兼事務所が完成し、やっとこの部屋に平穏が訪れる事となりました。さぁ、これからどうしようか?

ダイニングテーブルはショールームへ持っていっちゃったので、とりあえず何もない床にゴロゴロする生活がしばらく続きます。そのうち3シーターのソファを置いてみたり、でっかいビーズクッションで床生活に戻ってみたりと色々と模索の日々を繰り返します。そしてそのどれもが決め手に欠くやっつけコーディネートばかり・・。
広い部屋なら何をやってもハマるけど、狭い部屋ではある程度「計算」が必要ですね。人目に触れない部屋になった事で緊張感もなくなり、イメージがボ~っとしていたのでしょう。まぁそれこそが静かな日常とも言えるんですけどね。

そうして数年、自邸は時間が止まる事となります。

重い腰を上げるきっかけはテレビでした。テレビ共聴設備が古いマンションの為、2006年当時の我が家は地上デジタル放送の受信レベルが低すぎました。ベランダからは東京タワーが目視できる好環境だと言うのに・・。2011年のアナログ放送停波までには管理組合も動くだろうけどそんなの待ってらんないよっ。
だからベランダに独自アンテナを設置します。当然露出配線なんか許せないから壁の中に配線する工事が伴います。じゃあついでにプチリフォームそして全体のコーディネートと話は盛り上がってまいりました~。

以前からやりたかった「名作家具と暮らす大人の部屋」をコンセプトにしてプチリフォームが動き始めました。だれがやるの?もちろん金をかけずに仕事の合間や休日に自分でやりますよ。

2006年夏からスタートしたプチリフォーム。アンテナ設置、配線、液晶テレビ壁かけ用補強、旧テレビ台造作の解体、補修塗装、補修珪藻土塗り、家具雑貨コーディネート・・そうしてプチ牛歩リフォームがやっと形になったのは2007年春だったのでした・・。

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